ヴォイス・トレーニングの発声器官の解明は

「盗むべきもの」を発声を学ぶすべての人に明示してくれたと言える。

それまで知らなかった、気が付かなかった
発声器官の筋肉の存在、性質、働きを知り、その筋肉を意識的していると、
その筋肉の存在や動きを感じられるようになる。

意識していない場合、その筋肉が働いていなくても、
あるいは不自然に働いていても、そのことにはまったく気付かない。
知ることによって、それまでは大まかな体感で発声していたものが、
次第に詳細で具体的な体感をもって発声練習できるようになって行く。

体感覚が細やかになれば、聴覚も自ずから細やかになって行くもの。
それまで何となく聴いていた指導者や優れた人の声から
発声器官の様々な筋肉の動きを聴き取ろうとし始める。
そして自分でもやってみよとする。

つまり、この段階において「盗むべきもの」が具体的に認識できる。
そうなれば、しめたもの。発声練習に明確な課題を持てるようになり、
やがて、声の中のひとつひとつの要素と連結している発声器官の筋肉を、
自分の意志で動かせるようになって行く。

声帯模写は声の特徴や癖を真似るものだが、ここでいう声を真似るのは
それとはまったく違う。発声の仕方を真似るという意味。
したがって、舞においても、歌においても、当然師に似てくるわけだが、
模写とは違った似方になるはず。

更に言えば、伝統的な分野では結果的にその分野の者の発声は皆似てくる。
たとえばオペラ歌手は皆オペラ歌手の声をしている。
能楽の声も、民謡の声にも同じことが言える。

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