学校教育で人間の天性のものとは異なるものになってしまった。

私たちは生後まもなく言葉の話し方
(言語の発声の仕方)を習いはじめる。

大人のように流暢に言葉を話せるようになるのが、

小学校中程とすると、言語の発声の修得に8~10年掛かることになる。
言語の発声は発声器官を人為的に強制的にある方向に偏らせて使用する技術。

それをマスターしないと私たちは一人前に言葉を発音できない
人間の発声器官は元々歌うように出来ているので、
自然に発声すると楽音(音高を持つ音)を奏でている。

幼児が歌うような声を出すのは本能的なこと。ところが、
私たちは言葉を習う上において、
敢えて音高を不鮮明にする発声を練習しなければならない

言葉の訓練を続ける子供の中に、
時々その発声器官に本来の能力が根強く息づいている者がいる。

そういう子供は、ついつい歌うように話したり、発声が裏声のようになったりする。
本当は喜ぶべきことだが、本人はそのことを恥ずかしく感じ、
早く皆と同じように音高の不鮮明な地声で話せるようになりたいと思う。 

長い時間を掛けて言語の発声がようやく無意識に出来るようになった頃、
義務教育で今度は発声器官を歌わせる音楽の練習が始まる。
つまり、社会は一端は発声器官を歌わないように訓練させておいて、
次ぎにはそれを歌わせようとする。
小学校などで教えられる歌の発声法は、
一般的に普及している近代の人為的な発声法。

子供達は技術的に言葉を発声するのと同じやり方で歌う発声を練習することになる。

もっとも、教育での歌声の練習は、言葉の練習のように徹底的なものではなく、
また僅かな時間しか掛けられませんので、身に付く技術はいいかげんなもの。
(新しい発声からは、このことがまだ幸いしていると言えるのだが。)

このような経過の末、多くの者が身に付ける歌う発声は、
人間の天性のものとは異なるものになってしまっている。

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